ファッションのこと、暮しのこと

40代からでも似合うプチプラファッションや、暮らしのことを綴っていきます

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【49歳の断捨離記録】20年眠っていた着物の喪服を処分しました

20年に渡り長期保管してきた”喪服”を手放すことができたきっかけ

私達アラフィフ世代の方々はひょっとしたら同じ境遇かもしれません。

 

お嫁に行くときには礼服を一式あつらえる

 

ここで言う礼服は和服のことで、慶事の時に着る黒留め袖、弔辞の時に着る黒紋付着物いわゆる喪服である。



私の母自身は着物を全く着なかったが、買うのは嫌いではなかったようで、私に振り袖と訪問着、そしてお嫁に行く時に喪服をあつらえてくれた。

 

昔の人は”レンタルする”という文化のない中で育っているので、頭の中にその選択肢はないらしい。

 

49年生きてきて、成人式も含め振り袖は3回くらい着たかな・・。金融機関に勤めていたので年明けの初出勤の時には振り袖を着るという文化があり、ご多分に漏れず私も一度着て出勤した。

 

訪問着は結構着た。というか意識して着るようにした。兄や友人の結婚式で3~4度、子どもの七五三でも数回・・。うん。こちらは元をとっている。

 

さて、今まで一度も袖を通していない着物・・それは”喪服”です。

 

これはある意味幸せなことでもある。自分の近しい家族がまだ元気であるという証拠。

 

そもそも人生を通して着る回数が少ない上、着るかどうかも分からない。そして保管しておくのも場所を取るし、草履や帯枕などの小物も普通の着物のと違うから全部揃えて保管しておかなければならない。

 

いっそうのこと処分したい!という気持ちはずっとあったが、親がお金を出して買っているのでなかなか難しい。

処分したことが分かれば私は半殺しの目に遭うのは分かっていた。

 

ならどうして私がこうして「処分しました」と言えたのか。

 

それは母が認知症になったから。

 

母より先に父が他界するようなことがもしあったなら私は黒紋付着物を着ていくつもりで保管していた。もし洋装で行ってしまったら絶対に怒られると思っていたから。

 

ところが、人生とは本当に何が起こるか分からない。父はおかげさまで元気で母が認知症になってしまったから、もう喪服がどうのこうのと言っている場合ではなくなったのだ。

 

”家紋”の入った喪服を買い取ってもらえるのか?

さて、前置きが随分と長くなってしまったが、家紋の入っている喪服。

買い取ってもらうのは不可能かもしれない。せめて持ち帰ってさえしてくれればありがたい。

と藁をもすがる気持ちで着物の買い取りで有名なバイセルへ電話して査定の予約をした。

GWだったこともあり、査定士の方が来ていただけるのに2週間ほど要したが、直前に日日時の最終確認の電話もあり安心した。

当日来てただいた査定士の方は爽やかな若い男性。こんなご時世、他人を家に入れるのに抵抗もあったが、そんな心配はご無用なほど丁寧な立ち振る舞いであった。

 

さて、今回査定していただいたのは黒紋付き着物と振り袖、浴衣の3点。

黒紋付き着物だけでは査定は難しいと事前に調べておいたので抱き合わせで2点用意した。

訪問着だけは着る機会があるかも知れないし、ゆくゆくは娘に譲るとも考えていたし、母が買ってくれた物を全て処分するのは避けたかった。

 

正直査定は難しいようで、抱き合わせで用意した振り袖も流行とはかけ離れていたが、お涙頂戴でなんとか引き取ってくれた。

夕食の足しにもならないほどの値段だったが、私としては満足だった。

自分で処分することを考えただけでも相当なストレス。

持って帰ってくれただけでも大満足である。

 

 

さて、バイセルの査定士さんに何度も聞かれたのが我が家に他の不要品はないかとの事。

ブランドバッグや時計、その他貴金属など。

残念ながら、数年前に大体の物を処分してしまったので今回は出せる物がなかった。

 

恐らく「着物」の買い取りはボランティアのようなもので伺った先で何か高額買い取りできそうな物を探し出すのが目的なのかな。

お宝が全く無かった我が家であったが、だからといって対応が変るなどはなく終始丁寧に対応していただいた。

 

私の心にずっと重くのしかかっていた重荷をスッと外してくれたバイセルさん。

本当に心から感謝している。

 

モノを手放すって本当に軽やかになれるもんだなぁ。