ファッションのこと、暮しのこと

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市川猿之助さんのファンとして思うこと

まるで何かの小説を読んでいるかのような事件に心を痛めている方も多いのでは。

私が歌舞伎を初めて観劇したのは今から10数年前。

 

きらびやかな「博多座」に初めて入った時の感動は今でも忘れられない。

初めての博多座で初めての歌舞伎。

演目はこちら「蜘蛛の絲直噺(くものいとおよづめばなし)」。

市川亀治郎(当時)のもはやお家芸とも言える一人五役の早変わりが圧巻で演目が終わった後にもまだ気持ちが高ぶっていた。

 

「凄い物を見た」と。

 

それからも何度か劇場に足を運び「歌舞伎」を楽しんだ。

 

私に歌舞伎の楽しさを教えてくれたのは紛れもなく市川猿之助さんである。

 

熊本の山鹿市にある「八千代座」にも行った。

 

八千代座と言えば国の指定重要文化財にもなっている芝居小屋。木造2階建ての建物に枡席、桟敷席、廻り舞台やスッポンなど江戸時代の歌舞伎劇場の作りがそのまま存在している貴重な劇場。

 

入ってすぐ目に飛び込んでくる天井広告の美しさにうっとり。

 

こちらの2階席より観劇した。博多座より舞台が随分近いので役者と観客との一体感が凄い。

八千代座内部の2つの写真は見学会の時に撮影したものです

 

まさか八千代座で歌舞伎を見ることができるなんて・・

 

きっと猿之助さんとの出会いがなかったら叶わなかっただろう。

 

歌舞伎などの観劇がお好きで理解のある義両親がまだ小さかった2人の子どもを見てくれたので主人と一緒に行く事ができた。

改めて見てみると2014年。随分と時が経ったがあのときの感動は今でも鮮明に心に残っている。

 

彼の書籍も読んだ。

とにかく「歌舞伎」というものに心が奪われているかのように歌舞伎を愛し、大切にし、歌舞伎役者が天職だとご自身でも言われるほどに真っ直ぐであることが手に取るように分かった。

そんなに誇りをもっているんだな。

一ファンとしては嬉しかった。

 

だから今回の事件には納得出来ないことが多々ある。

 

あれだけ歌舞伎に真っ直ぐだった人がどうして・・・。

 

書籍を読むに連れ、分かった事がある。

私とは住む世界も、考えも、責任も、重圧も、これまで生きてきた日常も、これからの未来も何もかもが違うということ。

だからきっとこの事件に関して私がどう思おうが語るに足らず。

私の想像を遙かに超えた感情でそうなさったのであろう。

 

そして何よりも大切であった歌舞伎よりもさらに大切なものがあって、それを命をかけて守りたかったのだろう。

 

歌舞伎役者としての彼をもう見る事が出来なくなるのかな。

 

本当に何か未だに小説を読んでいるかのごとく現実が受け入れられないままである。